コントロール感覚の回復


風邪をひいたら風邪薬をもらう。

ガンになったら手術で腫瘍を取り除く。


そういうのを病院では治療と言ったりするが、

精神科においては

コントロール感覚の回復を促すことを

治療というような気がする。


冷静に考えて、

私が抗うつ薬飲んでも

①夜眠りやすくなる

②日中少し穏やかな気持ちになれる

だけである。(あった。)


薬の増減はあれど、これはいつまでも変わらぬ事実だろう。

今の幸福感の度合いが顕著なほど変化することはないだろう。


幸せになりたい、だとか

サビシイ気持ちを無くしたい、だとか

そんな理由で精神科に通っても仕方ない。


まあ

実際精神科に通う人間の殆どは孤独であるだろうし、その感情自体は否定すべきものではないと思う。


しかし精神科は孤独者のための御花畑ではない。

これは私自身への自戒だ。

自分自身に対するコントロール感覚を回復させ、

自分自身への信頼感を高めていくことで、

少しずつ生きていきやすくなるはずだ。


とはいえ、なかなか上手くいかないが。

午前中は難しい

憂鬱感はほぼ一日中あるが、

午前中は全てが億劫になる。

無価値感、絶望感からか気力が湧かない。 


日が落ちてくると、

少しだけ前向きになり、

何処かへ出掛けることもできるようになる。

夜はアルコールがないと不安になる。


抗うつ薬、飲み続ければ

良くなるものなのだろうか。

早く良くしないといけないと

頭の中は焦っているけれど、

現実は何もできていない。


さて、何かしなければ。

足跡を辿る

帰省している。


午前中はベッドで死んだように寝ていたし、

それから ぬすっと起き出し、

昨日の夕飯の残りをひとり食べて、

天窓から平和な秋の雲を見たりして

暫くぼんやりしていた。



高校時代にハマった音楽を聴きながら、

夕日に染まるコンクリートを歩き、

あの頃のようにバスに揺られて、

高校まで行ってみた。


改装工事で全く別物になってしまった

そんな校舎から

制服姿の女の子たちが出てきて、

土日祝日構わず私も授業受けていたよなぁと

少し思い出した。



恋愛禁止、部活禁止の自称進学校

高校時代は本当に勉強しかしていなかったし、

胃痛腹痛が兎に角しんどかった。

中学時代のトラウマから、

あの頃解離状態になっていた。

そのポーカーフェイスっぷりに

友達には「何考えているか分からない」「人間というより機械みたいだね」と言われた。

感情そのものが

何処か欠けてしまったままだった。


国語の現代文が読めなくなった。

英語の読解はある程度できるのに、

現代日本語の読解に生理的嫌悪を抱き、読むことが困難になっていた。



関西に住むことになってから

安全を確信してから

所謂「記憶の解凍」が起こったとも言えるわけで、

現在しんどいけれど後退しているわけではないのだと自分に言い聞かせている。


他人を変えるより、

変幻自在な自分になったほうが

多様な場所に適応していけるはずだと思うので、

他人を変えようとしたことはなかったし、

自分が変わったほうが得なのだと

今まで考えてきたけれど、



結局私は何なんだろうな。

夜とアルコール

自分は生まれてこのかたどんな小さなことも全く成し遂げられたことがないとか、

他人のために何かできたことがないとか、

存在するだけで迷惑がかかるとか、


そんな思考回路が強化されつつある。


思考内容は事実かもしれないが、

ことごとくチキンなので自殺することはないだろう。親より早く死ぬのは親不孝だ。


これは単なる悲観思考なのではなく、

病気の症状なのだと自分に言い聞かせ、

どうにか下向きメンタルに持ちこたえ、

それが少しマシになるのを待つ。


お酒が眠気をもたらしてくれる。

それだけで今は十分だ。

精神運動抑制

やらないといけない

そう思うことがたくさんあるのに

身体がついていかない。

実行するための思考がついていかない。

やらないといけないのに

何もせず疲れて一日が終わってゆく。




家賃支払の督促。

電気代支払の督促。

ライン、メールはそれぞれ100件以上未読。

部屋の掃除。

美容室。

今月中に読まないといけない書籍が10冊近く机上に。

読みたいはずの新聞。


今日は少しでも何とかしたい。
昨日は自らの足で病院まで行けたのだから。

理論が分かれば楽になる

今日は比較的涼しい。

過ごしやすさ故、逆にダラダラしてしまう。



ところで眼科に行ってきた。

ここ1週間程、何故か上下瞼が腫れ上がっており(まるで土偶のようだ)、

毎朝バイトやインターンなどのため無理矢理に顔面塗装工事すると(しかも大規模な工事である)、鏡の前にはtheメンヘラメイクが出来上がるのであった。



お医者さんによるとアレルギーらしい。

ヒスタミンについて、そしてアレルギーについて結構詳しく教えてもらった。レセプター云々という話は高校の生物の授業以来だった。

理由が分かると納得しやすい。

論理が分かると不安も解消しやすい。


良い病院見つけたと思う。






そして

初診だといつも答えなければならない質問

「現在飲んでいる薬はありますか?」にリフレックスムコスタ

「今までかかった(かかっている)病気はありますか?」の精神疾患欄にマル、

そんなアンケート用紙を渡しても、顔色一つ変えない事務さんには少しホッとした。


2週間後くらいにまた行かねばならぬ。

フラッシュバックとともに

小学6年生のときに犬を飼い始めた。

犬アレルギーだったが、それより飼いたさがまさっていた。

動物好きのクラスメイトはたくさんいた。

私は教室で最近の子犬のエピソードを話したり、

放課後、友達と子犬の散歩をしたりしていた。


まもなく中学校に入ると、

それまでそんなに交流もなかったAさんからいじめをうけるようになる。

Aさんの家庭はボロボロで、

父親による家庭内暴力で両親は離婚。

飼い犬は父親に虐殺されたらしい。


まあ

後から聞いた話、

私がしあわせそうに愛犬のことを語るのが許せなかったとのこと。


いじめってそういう些細な
(加害者にとってはそうではないのかもしれないが)

出来事がきっかけになりうる。

勿論、私が誰よりも美人で処世術に長けていれば

こんなことにはならなかったのかもしれない。

しかし私は何処にでもいるような

普通の人間であったし、

特別な能力なんてなかった。


もう加害者は忘れているのかもしれないし、

別に私はそれでいいと思っている。

私は誰も恨んでいないし、

唯一憎むとしたら今日の学校制度だと思っている。

私は一度も抵抗せずに

全てのいじめを受け止めていた。


今日もまた少しのフラッシュバックとともに

生きることについて考えている。