フラッシュバックとともに

小学6年生のときに犬を飼い始めた。

犬アレルギーだったが、それより飼いたさがまさっていた。

動物好きのクラスメイトはたくさんいた。

私は教室で最近の子犬のエピソードを話したり、

放課後、友達と子犬の散歩をしたりしていた。


まもなく中学校に入ると、

それまでそんなに交流もなかったAさんからいじめをうけるようになる。

Aさんの家庭はボロボロで、

父親による家庭内暴力で両親は離婚。

飼い犬は父親に虐殺されたらしい。


まあ

後から聞いた話、

私がしあわせそうに愛犬のことを語るのが許せなかったとのこと。


いじめってそういう些細な
(加害者にとってはそうではないのかもしれないが)

出来事がきっかけになりうる。

勿論、私が誰よりも美人で処世術に長けていれば

こんなことにはならなかったのかもしれない。

しかし私は何処にでもいるような

普通の人間であったし、

特別な能力なんてなかった。


もう加害者は忘れているのかもしれないし、

別に私はそれでいいと思っている。

私は誰も恨んでいないし、

唯一憎むとしたら今日の学校制度だと思っている。

私は一度も抵抗せずに

全てのいじめを受け止めていた。


今日もまた少しのフラッシュバックとともに

生きることについて考えている。