足跡を辿る

帰省している。


午前中はベッドで死んだように寝ていたし、

それから ぬすっと起き出し、

昨日の夕飯の残りをひとり食べて、

天窓から平和な秋の雲を見たりして

暫くぼんやりしていた。



高校時代にハマった音楽を聴きながら、

夕日に染まるコンクリートを歩き、

あの頃のようにバスに揺られて、

高校まで行ってみた。


改装工事で全く別物になってしまった

そんな校舎から

制服姿の女の子たちが出てきて、

土日祝日構わず私も授業受けていたよなぁと

少し思い出した。



恋愛禁止、部活禁止の自称進学校

高校時代は本当に勉強しかしていなかったし、

胃痛腹痛が兎に角しんどかった。

中学時代のトラウマから、

あの頃解離状態になっていた。

そのポーカーフェイスっぷりに

友達には「何考えているか分からない」「人間というより機械みたいだね」と言われた。

感情そのものが

何処か欠けてしまったままだった。


国語の現代文が読めなくなった。

英語の読解はある程度できるのに、

現代日本語の読解に生理的嫌悪を抱き、読むことが困難になっていた。



関西に住むことになってから

安全を確信してから

所謂「記憶の解凍」が起こったとも言えるわけで、

現在しんどいけれど後退しているわけではないのだと自分に言い聞かせている。


他人を変えるより、

変幻自在な自分になったほうが

多様な場所に適応していけるはずだと思うので、

他人を変えようとしたことはなかったし、

自分が変わったほうが得なのだと

今まで考えてきたけれど、



結局私は何なんだろうな。